鹿児島の家づくり サポートマガジン

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地元工務店の「真の姿」

お客様と徹底して議論、顧客ニーズを追求
穏やかな暮らしへ導き、キラリと個性が輝く家づくり

vol.054

(株)中池組 代表取締役
中池 竜介 氏

 川内高校を卒業後、九州産業大学工学部建築学科に入学。大学卒業後は、福岡の工務店で現場監督としての腕を磨き、2011年に家業の中池組に入社した。専務取締役を経て16年に30歳の若さで5代目社長に就任。2級建築士、1級建築施工管理技士の資格を保有。妻と一男一女の4人家族。薩摩川内市出身の32歳。会社は同市花木町7-11。

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 同社は、左官だった曽祖父・清さんが1932年に創業。祖父・清澄さん、父・賢三さん、母・君子さんへと受け継がれ、今年で86年を迎える老舗だ。周りからの人望が厚く尊敬していた父・賢三さんが47歳の若さで他界。「家業の建設業を潰したくない」という思いから、次男の竜介さんが継ぐことに。この間、中継ぎ役を務めた母・君子さん(現会長)から経営を引き継ぎ、5代目社長に就任した。
 創業当初の左官業から大工業、地場工務店、総合建設業へと事業展開。公共事業にも参入し、現在の経営基盤を築いた。現在は市場の変化に合わせて、一番得意としている注文住宅に力を入れる。
 昭和の初めから受け継がれてきた伝統と歴史。そこには、家づくりにかける使命感が脈々と生きる。若い5代目が語る家づくりの原点は人であり、真摯な顧客ニーズの追求にある。
 年間平均の新築棟数は12棟。お客様それぞれのニーズに応えるためには、限定的な方程式は必要ないと考え、あえて共通のコンセプトは置かない。お客様の意見や要望をトコトン聞いて、互いに納得し、心を通わせる関係を築いてからプランニング。シンプルで実用的な間取りに、ベテラン職人の造作家具でアクセントを付けた完全な注文住宅にこだわる。

 経営理念は「家づくりはお客様の人生の基盤づくり。だから建築を通して人を幸せにする」。行政、お客様、協力業者を裏切らない経営を貫く。大学を卒業して実家に帰郷した際には、営業マンは一人もいなかった。そこで考えたのが守りから攻めへの転換。他企業に対し、同レベルで戦える意識付けを明確にした上で、デジタル化に向けた社員教育を実践。情報やデータを共有し、早いレスポンス(操作・反応・対応)を徹底している。社員の資格取得にも熱心で、ほぼ全員が資格取得者。資格による各種手当支給、資格取得補助など、育成支援にも意欲的だ。このほか、連携プレーを強化するため、営業・現場監督・設計の定期的な勉強会も欠かさない。
 社長自ら営業を志願し、「頑張ればできる」と、常に他社を意識しながら、最前線で奮闘。「これからいろいろな面で変化の時代に入る。昔ながらの工務店は変わらざるを得ない」と、変化を予測して動き始めている。
 課題である人手不足への対応については、まず業界の魅力づくり、若手の育成、労働環境の整備、IТ化・省力化(現場管理部門のアプリ導入など)を提言。目指す企業像は、「地場工務店の生命線であるアフター・メンテナンスを徹底し、昔のように業種の幅を広げながら、総合建設業への復活を図りたい」と、力が入る。まだ若い5代目は、86年の重みをいい意味のプレッシャーに変えながら、柔軟な発想と緻密なデータ戦略を駆使して、11人を力強く引っ張る。

更新日:2018/05/01

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