鹿児島の家づくり サポートマガジン

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地元工務店の「真の姿」

お客様の笑顔と共に成長する企業へ
家づくりは人生の一部を担う仕事

vol.055

KENMAE 代表取締役
前原 秀壽 氏

 川辺高校普通科を卒業後、東京の内装関係企業に就職。2年間従事した後、帰郷し家業を手伝いながら13年間大工修業。平成25年4月に2代目社長に就任した。翌年5月には一級建築設計事務所を設立。家族は妻・美幸さんと2男1女の5人。趣味は、昔はドライブ、バイクツーリング、ゴルフ。今は仕事。好きな言葉は一期一会。南さつま市加世田益山出身の38歳。

 同社は、大工だった父の壽男さんが1986年(昭和61年)に創業。大工の腕を生かし1棟ずつ丁寧に仕上げるスタイルを売りに、地場工務店としての地歩を築いてきた。
東京から帰郷後、自分の将来が描けないまま漠然とした思いの日々を送っていたこともあるが、家業を手伝ううちに「自分の天職かも」との思いが強くなった秀壽さん。お客様から感謝される機会が増えるにつれ、人の暮らしを支える建築業に魅力を感じるようになり、どんなにつらいことがあっても汗まみれになりながら必死に食らいついた。父の壽男さんも、職人としての誇りと背中を見せながら、一級建築士の資格を取得。現場で頑張る息子の仕事ぶりを見守り続けてきた。
 修業して13年が経過した33歳のとき、秀壽さんは「家業を継ぎたい」と、父に頼み込んだ。すると「いいぞ。分かった」と、二つ返事で快諾。「まだまだ未熟だった私に会社経営を譲る覚悟を決めてくれた。(父にとって)大きな決断だったと思いますよ。そのときは、やる気と気合だけは誰にも負けないという気持ちで、根拠のない自信だけはありました」と、振り返る。
 これまで手掛けた住宅は、父の代を含め200棟前後。代替わりしてからの年間平均新築棟数は8戸。住宅完成見学会等などを通じて勉強会を開き、土地探しから資金計画、住宅ローンの組み方まで丁寧に相談に応じる。お客様の困り事相談からスタートし、最後は笑顔で結実する家づくりを目指す。「家づくりを通じて、お客様と私たちに関わるすべての人に〝幸せ〟と〝笑顔〟をつくっていければ」と目を細める。

 月に1回は東京、福岡などへ研修、セミナー受講で足を運ぶ。そこでは、全国から経営者が集い、生の声が聞ける。ここで〝大工の頭を切り替える経営〟を学び、ポイントをつかむ。いろいろな人とコミュニケーションを図り、柔軟に取り入れる経営を大切にしている。
 自然素材を使ったデザイン性、耐久性、快適性の高い戸建て住宅を追求する中で、用材の防腐、防蟻、20年保証などを付ける同社ならではのビジネスモデルを確立。「一生に一度の家」を託す人を着実に増やしている。「家づくりは、お客様の人生の一部を担う大事な仕事」。だからこそ、信頼、人の絆を何よりも大切にする。
 昨年、住宅マーケティング研究所の建築部門で信頼大賞を受賞。五つ星が輝く盾を手に「お客様から頂いたものです」と、謙虚に笑う。スタッフは11人に増えた。さまざまな葛藤を乗り越えながら、鹿児島市へのエリア拡大、女性営業マンの育成、社員の資格取得応援、気持ちよく働ける楽しい職場環境など、前を見て経営を進める。今年度から、社名を「建築の前原」から「KENMAE」に変更。懸命に前を向く経営にも通じる。根拠のない自信からスタートした経営は、代替わりして本物の自信に変わりつつある。

更新日:2018/06/01

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