SUMIKA 9号
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庭から与えられるもの使う、くつろぐ、眺める、育てる「最近は、手間をかけずに庭を楽しみたいという声がよく寄せられています」と話す杉本さん。庭やエクステリアといった外部空間の新築はもちろん、庭のリフォーム・リガーデンの相談も受ける同社には、さまざまな希望や悩みが集まってくる。なかには「手がかかる庭をどうにかしたい」と助けを求める人も。無機質すぎる、手入れが行き届かず荒れているなどの理由で、見るたび気持ちが滅入ってしまうというのだ。庭が私たちに与える影響の大きさを感じさせるエピソード。杉本さんは「そんなときは部屋から庭へ下りやすくする仕掛けをつくるだけでも価値観が変わるはず」と続ける。「例えばリビングと庭の間に階段状のテラスを設置する。家の中の動線に庭を加えることで、外で過ごす時間は自然と長くなります。樹木や草木の手入れが苦手なら、座れる場所を設けるだけでもいいです。庭の雰囲気が良ければ、ガーデニングをしたり風に揺れる葉の音に耳を傾けたりと、過ごし方の幅も広がります」。家の中へ季節感を届けてくれるのが、豊かな植栽に彩られた「眺める庭」。「頻繁に枝切りをしなくてよい、虫が付きにくいなど、手入れのしやすい樹木が人気。常緑のヤマボウシやオリーブがよく選ばれています。特に実のなるオリーブは花が咲いていないか、実を結んでいないかと毎日見守る楽しさがあります」。将来を見据えるのは家も庭も同じ『ザ・ガーデン』では、プランニングの始まりに「将来設計を立てましょう」と提案する。相談時の予算内で庭を完成させることよりも、最終的にどのような庭にしたいか、を優先するのだという。すべてをかなえるだけの予算が今なくても、理想の庭を目指して、余裕ができたときに少しずつ手を加えていけばいい。完成までに3年の時間をかけた人もいるそうだ。もちろん十分な予算があるのなら一度ですべてをかなえてもよい。庭は家族が毎日目にする風景であり、豊かな時間を求める場所でもある。まさに家と同じこと。これからの暮らしを考えるタイミングで、庭での過ごし方まで想いを巡らせ、しっかりと練ることが大切だ。庭を活用すると、どんなことが楽しめるのか。どのような外部空間が選ばれているのか。多くの事例を手掛けてきたガーデンデザイン専門店『ザ・ガーデン』プランナーの杉本朱美さんに、お話を伺いました。憧れのスローライフを実現するため、子どもの食育のためなどの目的で畑のある庭を要望する人が増加中。『ザ・ガーデン』では外部の視線から守られた場所に畑をつくることをすすめている。予算にとらわれず、将来を見据えながら「どんな庭にしたいか」を考えよう。住まいを新築するならそのときが計画をスタートさせるベストタイミング。家族の成長とともに庭を進化させていくのも楽しそう。「お庭は建物を引き立てる重要なアイテム。ご要望やイメージをお聞かせいただき、ご家族がほっと落ちつける雰囲気のお庭をご提案します」『ザ・ガーデン』プランナー杉本 朱美さんお話を聞いたのは148

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