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地元工務店の「真の姿」

蒸し暑い気候に合う健康住宅
地道に理論展開し成約につなぐ
デザイン中心だった家づくりから転身

vol.013

(株)ソーラーハウス21 取締役
上野 勝 氏

 熊本学園大学経済学部を卒業後、洋服業界で修業、そしてアパレルで独立し数年後、出身地の鹿屋市に帰郷、建築の道へ。CMシステム家づくりネット、セルフエナジーハウス研究会などを立ち上げる。この間、欧米の建築事情を視察、日本の住宅との違いを研究。CMr2級建築士、宅地建物取引士、土木施工管理技士の資格などを取得。趣味は旅行、ゴルフ。好きな言葉は、「人事を尽くして天命を待つ」。現在夫人と2人暮らし。65歳。会社は霧島市国分野口東6-11。

地図

 少子高齢化などで住宅需要が減少傾向を見せる中で「今は家余りの時代。だから本物志向の快適な健康住宅を追求したい」と、意気込む。自然エネルギーを使った自給自足の家「ハイブリッドeハウス」をベースにCMシステム家づくりネットを展開。原価公開による革命的な家づくりの手法を使い、失敗しない家づくりを推進している。

 大学卒業後、着物業界に進み、その後洋服デザインのコーディネーターを目指したという建築業界では変り種。
 転勤の都合で学生時代は熊本で過ごし、大学を卒業後、京都の着物店に就職した。昔で言えば丁稚奉公からのスタート。ボテという着物を入れたケース(重さは平均10kg)を肩に担ぎ電車やバスを乗り継ぎ、店を回るきつい仕事。結局2年半で辞め、その後洋服業界に入り7年ぐらいコーディネーターの道を目指しヨーロッパでの研修や生活を経験した。その後28歳の時に出身地の鹿屋市に戻って来た。

 兄が経営していた不動産の仕事を手伝ううちに建築業に目覚め、設計士等の資格を取得、この道へ。昭和58年に会社を創業した。
 当時、アメリカの建築手法だった建築のマネジメントを効率化させるCMシステム(コンストラクションマネージメント)を取り入れ、一級建築事務所「CMシステム鹿児島」を設立、2015年には、神奈川・東京本部を立ち上げた。
 4年前には、エネルギーの自給自足によって快適に暮らせる家というコンセプトのハイブリッドeハウスを普及させたい―と、セルフエナジーハウス(自給型住宅)研究会も社団法人として設立した。

 日本の住宅は、欧州、アメリカ、カナダなどに比べ極端に資産価値が低い。欧州では100年の家でも資産価値は下がらないのに日本はせいぜい25年で資産価値がほぼなくなるという現実がある。根本的なことをお客様に説明して資産価値のある付加価値の高い住宅をつくる必要性を感じ、カナダ、ドイツ、アメリカなどに短期研修に出掛け、家づくりに本当に必要なことを学んだ。鹿児島県内では初めてと言われる輸入住宅についても勉強、15社程度が集まる輸入住宅促進協議会にも加入し勉強した。
 そこで、北米‐欧州と日本の気候の違いに気づき、「家づくりを根本的に変えないといけない」と、痛感した。

 「輸入住宅の原理を蒸し暑い亜熱帯気候に近い関東以西の地域に持ち込んで快適で長持ちするはずがない」と、家づくりの基本を説明するセミナーをスタート。「本物の快適健康住宅とはどんなものか」をお客様に問い続け、付加価値の高い家を提案している。
 上野社長が提案する住まいづくりのベースは、エネルギーを自給自足して快適・健康に暮らす家。CMシステム鹿児島設立と同時にホームページを立ち上げ、家づくりの考え方、理論を展開する中で関心を持っていただいたお客様に一人平均約15時間掛けて住まいづくりの基本から住宅の性能、材質、工法などを各面から説き、勉強会終了後には内観パース、3D画像、原価計算書、資金計画書などすべての資料をプレゼントする。地道な提案と説明によって積み上げる実績は、鹿児島では年間8~10棟。

 上野社長の熱い提案の背景には、失敗しない家づくりがある。そこには常に家づくりの基本と向き合う徹底したこだわりがある。家づくりのことで「心配させない。失敗させない」というお客様第一主義の姿勢を貫き続ける。遅咲きで建築士になった元洋服コーディネーターの卵は、「お客様を失敗させないこと」を身上に住まいづくりの熱い思いと使命を語る。

更新日:2015/12/01

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