住まいの創造人
満足度でファン増やす
シンプルに暮らす自分スタイルの家
LINEでお客様と情報交換
(株)田川組 建築部長
一丁田 浩志 氏
川辺高校卒業後、営業を経て建築を学ぶため田川組に入社。一級建築士、一級建築施工管理技士、一級土木施工管理技士、一級管工事施工管理技士の資格を取得。公共、民間の現場勤務を経て、2004年には実験住宅として自宅を建築、いかにして気持ちのいい空間をつくりだせるかの重要性を学ぶ。2年前から建築部長。趣味は山登り。夫婦で九州百名山に挑戦中。好きな言葉は「一生勉強」。鹿児島市出身の48歳。
シンプルに暮らす自分スタイルの家―。これが田川組の家づくりコンセプト。その住宅部門の建築部長として設計と工事監理を担当、着実に田川組がつくる家のファンを増やしている。
無駄はないが余白がある空間。内と外を一体的に提案する気持ちのいい空間づくりこそ、今、田川組がつくる家で人気がある。「お客様のニーズを読み、それに応える家づくりをして満足度を上げることが心地の良い家になる」と言い切る。
同社は戦後まもない昭和26年に平和と歴史のまち・南九州市知覧町に創業。製材業からスタート、土木、建築、舗装、大工、とび・土工、石、屋根、水道、管工事と事業分野を拡大、現在は総合建設業の看板を掲げる。
建設のプロセスを重視、高品質施工を目指す技術者集団が、構造とデザイン性を究めて、顧客の立場に立ったシンプルな暮らしを提供する家づくりをメインに据えている。
「戸建住宅に力を入れ始めて10年弱。専門の営業担当もおらず、モデルハウスもない。でもお陰様で『気に入った』と、声掛けして下さる方が増えて、TAGは、ちょっとした人気なんですよ」と、一丁田部長。
引渡し後の家を観て「なかなか感じのよい家」「外観を見ていていいなあと思いました」「とっても感じが素敵」と、好評で早くもうれしい悲鳴。
少子高齢化時代を反映して住宅需要が落ち込む中で、口コミや紹介だけで受注に結び付いている。個人住宅は、標準仕様のレベルがあがり、コストも上昇、質を求めるお客様も多い。
「だから、ただ単に安くていいものという提案では、お客様は満足しない。住まい手はもちろんのこと、つくり手となる自分たちも、納得できるものを引き渡すという強い想いがある。弊社は、素材を活かし、高断熱で居心地がよく、機能性とデザインを両立させることを売りにしています。シンプルで自分スタイルの家は、非常に要求のハードルが高い家のように聞こえますが、そこは、お客様との綿密な情報交換によって、超えられます」と、クライアントのニーズを読み取ることで形が見えてくると強調する。
さらに今はネット時代。「この辺をちゃんと視野に入れておく必要もある。設計打合せから完成までには時間がかかります。でも皆さん忙しくて、そんなにしょっちゅう会って話はできない。そこで利用するのがスマホのLINE。これならリアルタイムで主人、奥様の要望が届きます。時間を問わず密に連絡ができます。施工段階になっても、思いついた時に情報を共有化できる。便利になりました」と一丁田部長。
自慢は、年1回の外壁洗浄、雨水桝清掃などアフターを通してメンテナンスの向上改善を図っていることで、訪問チェックには絶対の自信を見せる。今後の目標としては、リノベーションプロジェクトによる若手技術者の育成と、大学や外部組織との交流による視野の拡大、自社独自ブランドTAGDesignの確立などを目標に掲げる。
とにかく、自信のあるアフターと、引き渡すときに感動してもらえる家づくりが原点です―と、建築部のリーダーは胸を張る。