住まいの創造人住まいの創造人

地元工務店の「真の姿」

〝ようこそ、お帰りなさい〟
そこに住み、暮らす人の想いを繋ぐ
田舎、ふるさとを残すお手伝いをさせていただく

vol.018

(株)大城 社長
大城 仁 氏

 鹿児島工業高校建設技術系から九州共立大学経済学部経営学科を経て家業の大城に入社、現場経験を経て2005年取締役部長、2012年代表取締役に就任。代表的な事業は旧県庁舎本館玄関部分の曳き移転。資格は、一級建築・土木・建設機械施工管理技士、ホームインスペクター。家族は夫人、子ども2人と4人家族。昔はゴルフ、バイクのツーリングが趣味だったが、今はまちづくりで仲間と議論・討論を交わすことに情熱を燃やす。好きな言葉は「前へ前へ」。鹿児島市出身。37歳。社員数は22人。会社所在地は、鹿児島市宇宿9丁目11-6。

地図

 「私の仕事は、そこに住み暮らす人の想いを繋ぐ仕事」と、語る。その表情には、住まいと、その地に想い出とともに暮らす人たちの生活を紡ぐ住まい創造びとの強い意思を感じる。「昔は、街の戦後復興や区画整理に合わせ、住宅を確保するための曳家が主流でした。今は、単なる住まいではなく、住人の想い出、愛着、歴史をどう住み継いでいくか、残してあげられるか、そこに尽きる」と、創造びとは、今後の住まいのあり方を問い、お客様のニーズに合った家づくりに取組む。
 祖父の大城次郎さんは、沖縄出身。戦後、日本に引き揚げて沖縄に帰る途中、諸事情により、立ち寄り先の鹿児島に定住することになり、昭和32年に創業した。それを父親の新一さんが継承して曳き移転事業を中心に建築業など幅を広げて経営基盤を築き、現在の仁さんは三代目。

 同社は総合建設業で、主力事業は、土木3割、曳家事業3割、その他のリフォーム・解体などが3割を占める。曳家は、家を動かすという特殊技術と資機材が必要で、鹿児島県内の業者は7社。
 曳家事業の本質は、しっかりとした地盤を築き、基礎を改善し、その地盤の上に移動してのせることで、家の歪みを改善、劇的に家が頑丈になるケースも多い。家を曳くことで、家がいたむのではと心配する人が多いが、曳き移転の仕事は、そこに住む人の想いを繋ぎ、生活・ライフスタイルをそのまま完璧にそして安全に〝移転〟する職人技に裏打ちされた仕事。
 だから同社は、常に家に対する想いを住む人と共有する。「今の家が好き、好きじゃない」から始めて「じゃあ、どうする、どうしたいの」と、心地よく暮らすためには、住む人に視点をおき、想いを繋ぎ、動線を一緒に考え、住まい方の価値観と新しい生活観を共有する。高齢のご夫婦、中年、若い人、年齢層に合った家、暮らしを提案する中で、古い家を大切にしたいという価値観、想いも共有、曳き移転事業では「ようこそお帰りなさい」の言葉で事業完成を締めくくる。
 お盆、正月に「ただいまー」と帰って来る家族の想い出がいっぱい詰まった家、その雰囲気、想いを大切にしたいという人には、決して新築は勧めない。ここでも家づくりの原点は家族の想い、ふるさとを大切にする想いを繋ぐことを最優先する。
 曳家事業は、区画整理事業などが減少傾向を見せ、市場的には厳しいが、このような特殊技術は必要で、欠かせない仕事。着工から移動まで2、3週間、基礎工事に1カ月、改修・外構工事まで含めるとトータルで2、3カ月はかかる。技術、経験、カンが必要でプロとしての意識が求められる。車両や重機、特殊機材も必要で、熟練された技術屋集団が支えている。

 会社のモットーは、「すべてはお客様の笑顔のために」。社員一人ひとりが営業マンで、気持ちを大事にお客様に接することを基本にしており、「自分たちの仕事は接客業」ととらえる。
 曳き移転事業で培ってきた技術は、時代の変化とともに「お客様の目線に立った家づくりの提案」へ変わりつつあり、じっくりとお客様の声に耳を傾けるリフォーム、リノベーション事業へと広がりつつある。
 「弊社の仕事は、家と一緒にお客様の想いを繋ぐ仕事、そしてこれからはリノベーション事業を通じてまちづくりを再生させたい」と、大城社長の想いは、家を動かす仕事を通して未来の街の再生へつながっている。

更新日:2016/02/02

住まいの創造人 バックナンバー