住まいの創造人住まいの創造人

地元工務店の「真の姿」

まず家建てる目的を明確に
使い勝手よく末永く住める家に
信頼と誠実を武器に喜ばれる提案

vol.021

大工の内野 代表
内野 孝昭 氏

 伊集院高校卒業後、一時期教師にあこがれたこともあったが、宮之城高等技術専門校の建築科に進み大工を目指す。家業を手伝っているうちに仕事の面白さに目覚め、さまざまな資格を取得、幅広い工事に対応。趣味は、昔は釣りだったが「今はお客様と会話を交わすことかな」と笑う。人材育成にも取り組み、入社2年目の若い従業員を今、大事に育てている。家族は子ども3人の5人暮らしで8月には、4人目が生まれる予定。好きな言葉は、温故知新。日置市吹上町湯之浦出身の38歳。

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 地域の人に頼られる大工さん―をスローガンに掲げる。「住まいに関することならお任せて下さい。大工の職人技を生かし、ありとあらゆる工事、リフォームに対応します。仕事の姿勢は、お客様のニーズに合わせて、いいものをできるだけ安く、工事は丁寧に…」がモットーだ。その根底には、「不便を便利に」という高齢化社会等のニーズに合わせた戦略もある。そこには顧客一人ひとりを大切にする地域密着の理念が息づく。取引先や顧客を招いての忘年会も予想以上のにぎわいを見せる。

 同社は、父親の照隆さんが創業したウチノ建築が前身。二代目の孝昭代表が受け継ぎ今年で節目の創業30周年を迎える。昔ながらのプロ意識が伝わるように照隆さんにも相談、「大工の内野」にした。親近感のわく屋号は、客からも「分かりやすい名前」と好評。
 孝昭代表が経営理念にしているのは、「長寿命で使い勝手のよい顧客満足度の高い家づくり」。「だからお客様と一緒になって目的を明確にし、情報を共有した上で、納得のゆく工事を手掛ける。あくまでも予算の範囲内だが、地域の方々の住環境整備を支援する役割をわれわれが担っている」と、強調する。「家が完成しても笑顔になれない人がいる。それは、家づくりの考え方、手順が間違っているから。私の家づくりの理論は、まずお客様の予算を知る、価値観を知る、目的をはっきりさせる、業界の問題点を知ってもらうことから始まる」と、誠実さ、仕事への情熱をベースに、お客様のニーズに対応し、こだわりと技で勝負する。
 さらに同社は製材工場を所有していないが木材選びから購入まで自分の目で確認するなど業者任せにしないこだわりを持っている。

 昔は新築の需要もあったが今はリフォームが多い。仕事内容も実に多種多様。2級建築士、建築施工管理技士、住宅省エネ施工技術者、木造住宅耐震技術、ブロック塀診断士、外装劣化診断士、増改築相談員などの資格を取得。さまざまなニーズに対応している。
 「ドアの開閉がうまくできない」「引き戸の調子が悪い」など―。日常生活の困りごとに間髪入れずに対応する便利屋を日々実践することで顧客に取り込み、こだわりと技で勝負している。困ったときの駆け込み寺的存在が目標だ。「地域に必要とされる会社であり続けたい」というのが内野代表の口癖だ。
 ある日、「他の水道工事業者に修理を頼んだが、なかなか風呂場の漏水が止まらない」との相談を受け現場に駆けつけた。タイルからの漏水にしては水量が多い。床下に潜って原因を徹底究明するため、許可を得た上で壁のタイルを剥がし、霧状になって水が漏れている箇所を発見、どこに頼んでもダメだった漏水を防いだ。原因をトコトン解明するこだわりが生んだ成功例と言える。「弊社は地域工務店。だから逃げられないし、ごまかせない。一度信頼を失ったら元も子もない」という信念がある。仕事に誠実に向き合い、プロ魂で対応すれば信頼は絶対に揺らぐことはない。
 「家の新築は、設計通りに造れば誰が造ってもさほど差はないが、リフォームはこれまで培ってきた知識、経験を生かせる。だから提案にも説得力がある。中長期のスパンでさまざまな提案が可能」と、客の懐に飛び込み納得の上で仕事に取り掛かり、日々燃焼する毎日だ。

 本格的な高齢化社会を迎え、手すりやスロープを設置、段差解消などのバリアフリーなど介護保険絡みの住宅改修工事、屋根、外装、内装、水回り、オール電化、雨漏り、こそくりなどのリフォーム、リノベーション―と、需要は年々拡大傾向を見せている。
 「どうしたら永く住めるか、使い勝手がよく快適に暮らせるか、お客様目線で一緒に考え、改装する付加価値のリフォーム、工事」が、大工の内野が提案するキーワードであり、プランだ。だから予算の相談には応じるが、低価格だけには走らない。一生長いおつき合いを身上にしている所以でもある。

 同社が手掛けるリフォームは年間30、40現場。顧客数は約400世帯。こだわりと技術を武器にアフター、メンテナンスを重視、コツコツ積み上げる経営を実践している。施工エリアは、吹上、金峰を地盤とした南薩地区。それでも腕を見込まれて、鹿児島市や霧島市などへ足を伸ばすこともある。さまざまな生活様式の変化にもケースバイケースで対応、工事の目的を明確にして価格、内容などにもリーズナブルに応える。ここにも同社のこだわりと技が生きる。

更新日:2016/03/15

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