住まいの創造人
快適に暮らせる美空間を実現
技術とセンスが生きる最新の自分流の家づくり

(株)クオリティホーム 代表取締役
橋口 貴 氏
鹿児島経済大学(現鹿児島国際大学)経済学部経済学科卒業後、長島商事に入社。中間管理職などを経験、遊技部主任の時に退職。宅地建物取引業の免許を取得、家業を手伝いながら住宅業界について勉強、現在の会社を創業。10年前に株式会社に組織変更した。社員数は現在10人。一級建築士2人、二級建築士1人が在籍。好きな言葉は、有言実行。趣味は、車の運転と旅行。家族は、ちづる夫人、子ども2人の4人暮らし。本社所在地は霧島市隼人町真孝25。鹿児島支店は鹿児島市薬師1-18-1。鹿児島市出身の43歳。
地球にやさしいゼロエネルギー住宅、大切な人と暮らす〝自分流の家づくり〟がコンセプト。
「快適な住み心地に加えて、安心・安全、外観などの条件を満たし、まちづくりにも貢献できる家づくり」を追求している。だから、社名の通り、あくまでも品質にこだわる。「家づくりは、一生に一度の買い物。施主、施工業者が同じ目線で見られる家、両者に運命共同体みたいなものを感じる」と、地場工務店のあり方を位置づける。
東日本大震災以降、家族の命を守る防災、減災が大きな課題となる中で、家づくりも大きな使命を背負わされている。家族を守るという立場から「できないものは、はっきりやれませんと言える間柄、信頼関係を築きたい」と、使命感を強調する。常に高いデザイン力の設計と高い知識・技術を併せ持つプロの職人が一緒になって仕事をやりきった時に本物の家が完成する。「まさに一球入魂―全力で打込んだ時に、その夢は開花する」と、言い切る。

建築棟数は、年間23~24棟。構造、素材にこだわり、高品質の木造住宅でありながら地球にやさしいエコな家づくりに徹し、居心地よく自分らしい暮らしが楽しめる住まいを提案している。「一番大切なことは、使い勝手がよく開放感のある家。毎日、笑顔があふれる家」がモットー。この基本ベースを大切にしながら、高い機能、新システムを採り入れながら、さらに便利で快適な家を提供していくことを最重点項目に据える。「これから、われわれが目指すのはZEHの家。冷暖房、給湯、照明など建物全体で消費する電力と、太陽光発電などで創出する電力の差が正味ゼロとなるネット・ゼロ・エネルギー・ハウスをいかにして増やすかが目標」と、方向性も明確だ。家計にも環境にもやさしい住まいを原点に据え、硬質ウレタンフォーム、Low-Eガラス、家全体の断熱効果、オール電化、エコキュート、LED照明、節水型キッチンなどの省エネ効果の高い住宅設備機器の導入に積極的だ。さまざまな機能やシステムを駆使して、住宅の性能値を上げることを念頭に置いて、常に実践することでお客様の要望に応えている。
このほか、構造上の性能を高めるハウスガード、注入剤によるシロアリ防除、木材の反りを防ぐ寸法安定材などにも注力、設計・デザイン力を含めて提案、サポート力にも磨きをかける。
家づくりに携わるきっかけは、地場のハウスメーカーで営業をしていた父親が平成13年に創業した住宅会社が原点。「いつかは自分で会社を興したい」との思いは、お客様のために、地域のために貢献する事業へ、と発展。持ち前の研究熱心さも手伝って、念願の会社を立ち上げた。そして、約10年前に有限会社を株式会社へ移行した。
ここで、力を発揮したのは持ち前の人間力。「大きな会社は、融通が利かないが小さな会社は小回りが利き、人との接点を強化しやすい」と、人脈づくりに力を入れた。社員をはじめ、自らも住設機器メーカーの講習会、研修会にも積極的に参加、さまざまな場で交流を深めた。「人の縁を大切にし人間関係を深め、会社の知名度をアップすることがなによりも優先する」と人脈を拡大、信頼関係の強化を図った。
創業早々に霧島市で住宅の分譲を開始。入居した8世帯が集まってバーベキュー大会を開いた際に「ああ、こうしてコミュニティが深まり、まちづくりが始まるんだ」と実感、その住宅地が地域としてまとまり、まちへ発展する姿に感動、家づくりを通してまちづくりにかける概念が大きく膨らんだ。
「単なる家づくりではなく、まちづくりの視点でとらえると、さらに楽しい」と、発想を変える視点も忘れない。ちづる夫人は、インテリアコーディネーターの資格を取得、利用目的別の収納術を得意とする。常に新しい発想と視点を働かせ、多目的に考えるアイデアは、この辺に起因しているのかも知れない。
将来の目標は年間40棟。「多メディアの時代。フェイスブック、ホームページ、チラシなどを活用、いかに周知するかがカギを握る。しかし、最終的には営業力がモノを言う。設計者との信頼関係も大切。消費増税前の仕掛けも試される。鹿児島市薬師町に新鹿児島支店の開設も計画、モデルハウスを兼ね備えた事務所の建設も検討している。動いただけ結果につながる」と、常に前向きだ。