住まいの創造人
図面と現場と暮らしが一致する家
サプライズは、お客様と一緒に快適性を実感できる一体感
ドリームハウス国分興産(株) 代表取締役
井上 浩二 氏
加治木工業高校電子科を卒業後、京セラ国分工場勤務を経て平成2年に工務店を設立。二級土木施工管理技士、二級建築施工管理技士、電気工事士、宅地建物取引士などの資格を取得しており、分譲にも力を入れている。趣味は、たまに行く温泉巡り。家族は夫人と2人暮らしで2匹のワンコも〝同居〟。好きな言葉は「すべてはお客様のために」。正直者が得をする社会でありたいと願望を込めて語る。霧島市溝辺町出身の54歳。
予想以上の感動をお客様に届ける快適な家づくり―をコンセプトにしている。
「重要なのは、家の中の豪華なキッチン、洗面台ではなく、そこに暮らす人の日常を常に心地よくする快適性。温度や空気感、使い勝手のよさなど、よかったと家族が心底から幸せになれる家」と、家づくりの原点を語る。
身内が経営する工務店の仕事を手伝ったのが家づくりに携わるきっかけとなった。「ここで5年間、家づくりの仕事のやり方を覚えさせて貰い、すごく感謝している。そして家づくりに関わり奥の深さに驚かされた。家は、お客様にとって一生に一度あるかないかの大きな買い物―という認識はあったものの、中には大工さんが寒いという家にも遭遇し、基本から学ぶ家づくりの重要性を知った」。
同社が手掛ける家は、基本性能を重視したゼロ・エネルギー住宅がベースになっている。2001年から高気密・高断熱、高耐震構造を備えたスーパーウォール工法を採用、13年からは多くのエンドユーザーから高い支持を得ているゼロエネルギー住宅「ZEH」(ゼッチ)の家づくりを提案。室温をほぼ一定に保つなかで最初から大容量の太陽光を搭載するのではなく家庭で使う分だけ載せて初期費用を抑え、さらに売電も見込めるような形にして光熱費を低く抑える。
井上社長には、家づくりの持論がある。耳慣れない言葉だが、それは「図現暮一致」。図面(設計図)と、造る現場と、引渡し後の暮らしが一致することの重要性を意識してもらうために使っている。住んで本当に良さが実感できる家、引き渡す時、引き渡してからもずっとお客様から「イイネ」の言葉に安心感と勇気をもらうそうだ。いい家とは、住めば住むほど、そのよさが実感できる家。工法的に安心でき、設備のグレードも高く、太陽光発電システム搭載のメリットが感じられる家。それに高耐震の住宅。安心・安全面は勿論、すぐれた効率性、経済性に裏打ちされていることが大きな条件になる。
最近、高齢者が入浴中にヒートショックで死亡するニュースが全国的な話題になっていることに関しても「そうなんです。これは交通事故の犠牲者より多い数。鹿児島は寒冷地の北海道より多く、全国ワースト4位。これからますます安心・安全な家づくりが欠かせませんネ」との助言も忘れない。
家づくりの過程で必ず国の算定プログラムを使って一次エネルギー消費量を計算。屋根などに必要最低限の太陽光発電を搭載し、高性能のエアコン、エコキュートなどを導入。〝使う・創る〟のエネルギーのバランスを考えたゼロエネルギー住宅についても、「基本中の基本ですから」と、すべてのお客様に当たり前のようにプレゼンテーションを行い、社名通りの夢の家(ドリームハウス)を提案する。
4月に熊本、大分県内に大きな被害をもたらした熊本地震についても「こんな身近なところで起きるんですね。これを機に耐震性能が見直されるべき。これでお客様の関心が高まり、考えてもらう機会になれば…」と、耐震性の意識改革を求める。
最初、国分市(現在は霧島市)で会社を立ち上げたが加治木町に本社事務所を移転、夫人が不動産会社、社長が土木会社を経営、宅地造成・分譲も行うなど幅広い形をとっている。13年前に海が望める場所に自宅兼店舗を新築、ゼロエネルギー住宅のよさを実感している。「本当に快適。1台のエアコンで家全体が快適なんです、快適さを自分で体験しないと、お客様に勧められませんからね。息子も結婚と同時に早速、弊社の工法を活用してマイホームを建てました」と井上社長。
「毎日、お客様の弾ける笑顔をもらって幸せ」と、井上社長は破顔一笑だ。