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地元工務店の「真の姿」

お客様の思いと真剣に向き合う経営
1棟1棟に感謝の心込め、手間をかける家づくり

vol.043

(株)相塲工務店 代表取締役
相塲 敏男 氏

 中学校卒業後、17歳から大工として職人の腕を磨き約20年。2016年4月、人材、事務所などの体制が整ったことから会社を創業した。素直に感謝の心を忘れることなく、謙虚に笑える心を持ち続け、お客様と一緒に考えながら前進する「笑・心・持・考」の4文字が経営理念。家族は妻と長男の3人。8月には次男が誕生予定で、さらににぎやかになりそうだ。趣味はサッカー、野球、ゴルフ、バレーボールなど多彩。南九州市知覧町出身の36歳。会社所在地は鹿児島市中山町1598。

地図

 父親の喜吉さん(66歳)が大工の親方だったこともあり、小さい頃からモノ作りが好きだった。「将来は大工の社長(親方)になりたい」との思いで夢を描き、父親の仕事を手伝ったこともある。やはり血筋は争えない。地場工務店で大工の手間請け仕事に従事した後、母方の故郷である沖永良部の工務店などに勤務。着実に大工としての基礎を身に付けた。
 このとき学んだのが、「職人魂」だった。家づくりの際には、素直・謙虚・感謝の気持ちを持って、技術・信頼・誠意を家に刻む。それは、沖永良部の伝統、歴史に育まれた人の生き方がベースになっている。自然と人が寄り添いながらコミュニティーを形成しながら生きる。その基本になる家づくりこそが原点だと確信し、仕事と向き合う意欲や姿勢を向上させながら職人としての腕に磨きをかけた。
 「大工という仕事は、大変だけどモノを作り上げ、形にするという充実感、満足感がある。時には日付が変わることもあり、体力的にはきついが精神的な疲れはなかった」と、当時を振り返る。
 手間請けをしていた頃、「毎日が勉強」の思いで、積極的にいろいろなことを経験。家のアクセント、見栄えが求められる化粧板の仕事が多かったことも自分を大きく成長させることにつながった。苦労はしたが、自力で仕事をやりこなし、厳しい棟梁に仕えたときほど、自分の成長を感じたという。約20年目を迎えた昨年4月から、1級建築士の資格を持つ兄の吉人さんが加わり、会社を立ち上げた。職人として「生涯現役を貫きたい」との思いがある一方で、「経営者は自分の柄じゃない」との戸惑いもあったが、経験を生かす集大成として「プロとしての家づくり」に向けて本格参入を決断した。

 家づくりは、十人十色の個性があり、いかにニーズや要望をくみ取れるかが問われる。「私たちの施工は時間がかかる。それはお客様一人ひとりの思いと真剣に向き合うから」。「作り手の心と技を家に刻む」をモットーにしている。
 会社創業時に真っ先に思い浮かんだのは、沖永良部島時代に考えた職人としての理念だった。「笑・心・持・考」。迷うことなく相塲工務店の家づくりのテーマに決めた。家づくりにかける哲学と理念、熱い思いが伝わる。頂いた名刺にも、この4文字が入っている。
 昨年、会社を立ち上げたばかりで新築実績は1棟だが、顧客の評判は上々。「相塲さんに頼んでよかった。大満足」の声を頂いた。「ありがとうのお礼が何よりもうれしいし、励みになる。丁寧にきっちりと時間をかけて、リフォーム、リノベーションなど含め、できれば年間約10棟のペースに乗せたい」と、控えめに目標を掲げる。立ち上げ後に大工が加わり、今年からは塗装、電気工事の専門スタッフもそろいスタッフは5人となった。「どんなに小さい企業でも経営は難しい。社長となればなおさら。常に資金繰りのことを考えないといけない。正直言って大変ですよ。本当は社長と呼ばれるのは柄じゃないんですけどね」と、謙遜。それでも長年、家づくりのプロとして携わってきた顔は、自信に満ちあふれ、輝いている。

更新日:2017/06/01

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