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地元工務店の「真の姿」

祖父から3代のDNA継ぐ職人家系
かなづち一本に賭け3人の親方の下で修業

Vol.068

㈱三浦工務店 代表取締役 
三浦 俊一 氏

鹿児島商工高校(現樟南高校)機械科卒業。愛知県の鉄骨製造業オペレーターとして2年間勤務後、20歳で郷里にUターンした。その後、大工として修業。35歳で独立。建具職人をしていた祖父の代から数えると3代続く職人家系。2級建築士、1級技能士(建築大工)、宅地建物取引士の資格所有。趣味は水泳、サーフィン。妻・奈々さんと子ども5人の7人家族。霧島市出身の44歳。

 20歳でUターンした三浦社長は、地場の工務店で、十数年間修行。3人の親方の下で大工としてのいろはを学んだ。35歳で独立。ちょうどその時期と重なり、父・敏夫さんが脳梗塞と心筋梗塞で倒れ、7年間の入院生活後に亡くなった。再起を期していた父の思いを引き継ぐべく、「自分が大工として大成することが父の無念さを少しでも和らげることになる」と、覚悟を決めた。2016年に待望の建設業の許可を取得。住宅の新築、リフォーム、増改築を看板に掲げ「地域に貢献できる地場工務店」としてスタートした。これまで4人の社員を雇ったが、「仕事が合わない」、「高齢で体力的に高所作業などが無理」と言った理由で退職するなど、人を育てる難しさも学んだ。
 2018年は新築3棟の実績。リフォーム・リノベは、これまでに40棟近くを手掛けた。今期はすでに7棟の新築、リノベ1棟の話がきており、スケジュールはびっしり埋まっている。「お客様の要望を受けても即行動できる業者は少ない。自分は返事一つで動ける大工ですから」と、行動派を自認する。

 営業力は、3人の親方についているときに身につけた。「ある日、親方からきょうは仕事がないから休んでくれと言われ、そんなのはもったいない。みんなで営業に回りましょう」と提案。親方の名刺をもらい、知り合いの家を回った。顔の広さに加え、それなりの人脈もあり、年間4~5棟の契約をまとめるなど実績を上げる。人懐っこく、すぐに誰とでも打ち解け、気楽にコミュニケーションが取れる明るい性格も手伝って、営業数字も良かった。
 経営理念は「お客様も自分も後悔しない家づくり」。「自分の持てる技術、知識を120%発揮して精いっぱいの気持ちで家づくりに臨めばお客様の心に響く」という思いを大切にする。家は家族の年齢や生活に合わせて変化していくもの。その時の年齢のライフスタイルに応じて、安心、安全で快適な暮らしを提供して差し上げることがこれからの工務店の役割。高齢化社会を迎え、シルバー世代に考慮した家づくりこそ、大工の使命であり、一番求められているもの。「防犯、バリアフリー、介護、省エネなど、さまざまな視点から将来を予測して対応する。見て考え、寄り添って一緒になって足し算、引き算をしながら設備面から減らすもの、増やすものを考えてあげたい」。高齢者に優しい家づくりの視点も忘れない。
 最近、不動産の許可を取得したことと、2世代、3世代に受け継がれる家、空き家活用のインスペクションへの取り組みを強化することで、少しずつ仕事の輪が広がってきた。「今後は、資格取得と建売にも挑戦し、コンスタントに年間10棟を目指したい」と先を見据える。
 今年の努力目標を尋ねると、①経営の基本は、周囲に振り回されないこと②自分がバカになること③そして飲みに行くこと④自分の考えを貫く信念をもって取り組むことーとの答えが返ってきた。筋肉質のがっしりした体型。家づくりに賭けるカーペンター(大工)としての思いを語る姿は実に頼もしい。

更新日:2019/07/01

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