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地元工務店の「真の姿」

暮らしを託されたプロの代理人
自分探しの旅からたどり着いた家づくり

Vol.072

㈱絆・絆設計事務所 暮らしプロデューサー
松田 沙弥架 氏

ピザ店のアルバイトなどを経て、3年間埼玉県に自分探しの旅へ。帰省後、自分のやりたいことは何かを自問自答しているうちに、㈱絆の樋高秀哉社長と出会い、地図を読むナビゲーターが得意だったことから、2011年4月に入社。営業、現場管理、設計、家のメンテナンス、不動産契約の段取り一切など何でもこなすようになる。目下、建築関係の資格取得へ向け、猛勉強中。好きな言葉は「継続は力なり」。鹿児島市出身の33歳。

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 同社は、地元の建設会社で建築部門の監督・経営を経て、樋高社長が2011年1月に立ち上げた。それまで手掛けたОB客の住まいの困りごとの受け皿になりたいという思いから、社名は「絆」という一字に。建築・不動産事業を展開し、今年で節目の10年目を迎える。
 「私の師匠は大工さん」と、言い切る松田さん。最初は建築用語一つ分からず、壁にぶち当たった。まったく何もない更地に基礎を造り、家が建つ。「私にとって家を建てるって、まさにマジックの世界。現場で働く職人さんを尊敬の念を持って眺めていました。だから、何時間見ていても飽きないんです」と、屈託なく笑う。
 住宅の新築現場があると、「ちょっと見せてもらっていいですか」と、何時間でも座り込み大工仕事を見る日が続いた。分からないことがあると、質問して一つずつ習得。そんな松田さんをどちらかというと放任主義で見守り続けてきた樋高社長も「いつかは辞めるだろう」と、思っていたそうだが、ある日現場に行くと、腰袋を提げて手元仕事を手伝っている姿を見てびっくり。大工さんや業者からの印象も良く、いつしか頼りにされる存在になっていた。
 「職人・住宅全般のプロデューサーとしての直感的な感覚を備え、手先も器用。負けず嫌いで頑張り屋」と、その成長ぶりに樋高社長も舌を巻く。「地鎮祭、上棟式以外はすべて彼女がやってくれます」と、今では全幅の信頼を寄せる。女性ならではの住まいの細かい部分への目線、会話のしやすさなどが同社の特長。確実できれいな仕事をしてくれる-と、法務顧問の司法書士からも定評がある。県内の建設業界でも、これだけ守備範囲の広い女性はなかなか居ない。

 15年9月、30坪の住宅新築の話があり、土地の選定から竣工、引き渡しまで一切を任され、1人でやり遂げることによって自信がついた。課題、反省点も多かったが「お客様以上の情熱を持ってヒアリングを行い、企画、提案、実行を繰り返すことが大事。課題はスピードアップ」と、結論づける。
 その翌年にはマイホームを計画。建築確認申請から銀行への融資相談まで自分の手で行い、自信につながった。「この経験があったことで、自信が確信に変わりました。私にとって大きな転換点。でも、まだまだ半人前。自分の家づくりは緒に就いたばかり。やることが多すぎて」と、鳴りやまないお客様の注文・職人さんたちとのやりとりの中、資格取得も目指している。
 同社の経営理念は「笑顔を忘れず、常にポジティブに前を向く」。松田さんが、率先してそのけん引役を果たしている。工務店ならではの小回りの良さを生かし、オリジナリティーの高い『フルオーダー住宅』と共に、全国で展開するCASAシリーズの規格型住宅『casa cube』を手掛ける。
 家づくりに対する目標を尋ねると、「樋高社長の思いと重なりますが、そこに住まう人の思いを込める家づくり」という答えが返ってきた。社で取り組むなるべくコストを抑えた少数精鋭でのワンストップサービス(土地探しからアフターメンテナンスまで)に今日も明け暮れている。

更新日:2020/01/01

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