住まいの創造人
笑顔が集まるおおらかな家
人も家も新しい世代を見据える
㈲コアホーム 代表取締役
佐多 正人 氏
鹿児島経済大学(現鹿児島国際大学)経済学部経営学科卒。若いころから不動産業への関心が高かったこともあり、鹿児島市内の建設会社に10年勤務。それまでの経験を生かし、1995年11月に創業した。当初は、父親の病気、資格取得など苦労もあったが、周囲の助けにも恵まれ、2022年には節目の35年目を迎える。宅地建物取引士。肝属郡錦江町(旧田代町)出身の67歳。
経営理念に「地域貢献、社会貢献。仕事を通して世のため人のために役立てる企業」を掲げ、目指す家づくりは、「家族が憩い安らぎながら成長していける場。だから、お客様の人生に寄り添い、快適で環境に耐え得る建材・工法を駆使してフレキシブルに対応できる間取り、メンテナンスに考慮した構造、かつアイデア豊富な家」だ。同社の年間平均新築棟数は10棟前後。これまでの累計新築棟数は約100棟に上る。
住宅業界については「今年の住宅需要は微増の市況で落ち着くのではないか。業界では持ち家は対前年比+3%程度で落ち着くとの予測もある。しかし、少子高齢化で住宅需要減少傾向、経営面での売価下落、原価上昇といった厳しい時代に変わりない。中古+リノベーションなど新築にこだわらない柔軟な提案が今後は必要になる。今の状態だと住宅需要が減り、低金利による新築需要の食い合いという環境が生まれかねない」と現状を分析する。
同社の一番の課題に人手不足を挙げる。高卒者を採用しても、一人前に育てるには、時間と手間が必要。福利厚生面では週1、4週6休など叫ばれているが、定着させるには一定の時間がかかる。そこで考えられているのがシステム化で生産性を高めること。標準化+ICT化+PDCA(計画・実行・評価・改善)、これに品質と少人数による時短の両立が欠かせないという。
家づくりのコンセプトは、「笑顔の集まるおおらかな家」。「笑顔は人を集める大きな要素。陽気な人が集まり、元気になる。楽しい営業先に行けば、話題も多いし、たくさん元気をもらえる。人(社員)を増やし、売り上げも2倍に増やしたい。とにかくいいお客様に恵まれているし、雰囲気もいい。みんなが笑顔になれる家を目指したい」と語る。
現在、長女の舞さんが、正人さんの下で営業のノウハウを修業中。「仕事は忙しいけど楽しい。将来的には2級建築士の資格も取りたい。勉強することが多くて大変だが、父と一緒になって会社の経営を支えたい」と、張り切っている。「社名の通り、地域のコア(核)となる企業として頑張りたい」。頼もしい返事に正人さんは、頬を緩める。