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地元工務店の「真の姿」

一棟ごとに感動する心を乗せて
祖父の遺志継ぎ建築業へ

Vol.080

久徳建設㈱ 取締役  
吉留 李奈 氏

志布志高校を経て鹿児島大学工学部海洋土木工学科卒業後、鹿児島大学院理工学研究科建築学専攻終了。セキスイハイムに勤務後、家業の建築の仕事を継ぐ形で入社。一級建築士と宅地建物取引士の資格取得。夫の祐介専務と二人三脚で老舗・久徳建設の経営を支える。趣味は歌、ピアノ。好きな言葉は「日々感謝」。大崎町出身の37歳。

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 同社は、大工をしていた祖父の近義氏が1950年(昭和25年)に個人創業した。近義氏は腕のいい大工で、真面目で頑固な職人気質。その後、同社は経営基盤を安定軌道に乗せ、1965年(昭和40年)に組織変更を行い株式会社に。1995年(平成7年)8月から博文氏が2代目社長に就任。現在、曽於地区を代表する総合建設業として発展、飛躍を遂げている。今年は節目の創業70年。人生で言えば古稀。
 取り扱い業種は、建築、土木業を柱に、造園、解体業その他設計事務所や不動産業と幅広く、国交大臣許可の特定建設業も受けている。県の入札資格はAランク。
元々、大工だった祖父の想いを引き継ぎ建築業として立ち上げた会社だけに住まいづくりが本業。自由設計の快適・満足度の高い住宅をお客様に届け、「責任・言動・行動」を大切に、常にしっかりと基本を守ることを理念に位置付ける。
 会社の経営理念は、「お客様との心の架け橋となる」。
 2011年(平成23年)に取締役に就任した李奈さん。結婚した祐介専務と一緒になって会社経営を支え、みんなを引っ張る。「日々感謝」の言葉を胸に、設計、お客様との打ち合わせ、進捗状況の確認、資料作成、企画など忙しい毎日を送る。
 李奈さんがこの道を選んだきっかけは、創業者の祖父から亡くなる前に「李奈ちゃん、会社をお願いね」と声を掛けられたことだった。69歳の若さだった。かねてから両親は「好きな音楽の道に進みなさい」と言ってくれていたが、祖父のこの一言が忘れられず、高校生の頃、「将来は建築業に進もうかな」と、意識するようになっていた。そして、その夢は大きく膨らみ、決断へと変わった。建築の勉強に進路を定め、大学、大学院まで進み、その道を究めた。
 大学時代から建築関係に進むなら住宅の仕事をしたいという想いがあった李奈さん。「住まいは暮らしの原点。そこがいかに自分にとって心地よい空間になるかで、日々の生活や心が変わる。その心地よい空間というのは、お客様によって違うので、それぞれのお客様に寄り添う家づくりをしたい」と考えたからだ。

 実際に働きだしてからは、「お客様はまだ形のないものに対して高い住宅ローンを組み、契約してくださる。その覚悟に誠心誠意応えたい。着工後でも、お客様との打ち合わせの中でこの方がいいですねとなったり、要望があれば、対応可能な範囲で現場での変更も行います。大工さんにはいつも助けられています」とお客様との心の懸け橋となる家づくりに励む。
 李奈さんは一人っ子。「会社を立ち上げた祖父母、引き継いで守り成長させてきた両親のことを尊敬しています。そして、実家の異業種から会社に入ってくれた主人と、祖父母の時代から一緒に働いている社員にも感謝しています」と笑顔を見せる。
 年間平均新築戸数は15棟前後。これまでの累計新築戸数は約1500棟に上る。「今後も、省エネ、耐震、デザイン性など、日々進化する業界動向に合わせて、しっかり勉強してお客様のニーズに的確に対応し、役立つ情報を発信したい。また、既存住宅状況調査技術者の資格を生かし、中古住宅をきちんと調査してリフォーム、リノベを行い、お客様に引き渡していくことも考えている」と将来を見据える。
 目指す企業像は「地域に貢献しつづける地域になくてはならない会社。」引き渡し後のアフターフォローにも目を向け、「素早く駆けつけて対応、安心できるかかりつけのお医者さん的な役割を担いたい」と、地域密着でユーザーに優しい会社経営を強調する。
 「ZEH、長期優良住宅などの高性能の住宅づくりはもちろん、女性・主婦目線での家事、子育てがしやすい住宅の提案をしていきたいです」と、思いを語る。今日も社長室に飾られた創業者の写真が孫娘の成長ぶりを見守っている。

更新日:2020/10/01

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