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風景を暮らしに取り込んで、内と外で自由に暮らす
東に山、西に海を望む自然豊かな環境に新居を構えたIさん。かつてここにはみかんの段々畑が広がっていました。「1段目と2段目をかさ増しして造成したら、抜群の見晴らしが手に入りました」とご主人。屋根の形状そのままの高い天井を持つ開放的なLDKはもちろん、2階からも吹き抜け越しに海を見ることができます。「子どもの空間は、朝日の入る場所に置くといいと聞いて東側に。西側の浴室では夕日を見ながら入浴できます」。
自然の光と風が行き渡るI邸は、仕切りの少ないオープンなつくり。そのなかで屋根裏収納の一部のみ床レベルを下げ、秘密基地のような書斎を設けるなど、遊び心を加えながら上手に空間を使っています。動線計画では具体的な使い方をイメージ。北側の家族用玄関は、重い荷物を駐車場からキッチンまで楽に運べる流れをつくり、キッチン、衣類の収納室、洗面室を近づけたレイアウトは、朝の準備をスムーズにすると同時に子どもの自立性を育みます。
「どのように子どもと遊ぶことができるか」も大切なテーマでした。広いウッドデッキと庭には遊具があり、子どもたちは遊び場に事欠きません。「これからピザ釜を造って一緒にピザ作りがしたい」とご主人。手作りピザをウッドデッキで頬張る風景が目に浮かぶようです。
周辺の豊かな自然に似合う大屋根の家。空間を広く取りたいとのご希望をお持ちでしたので、吹き抜けの梁をなくして大屋根で家を支える方法を採用しました。階段下収納や屋根裏収納などでも空間を有効活用しています。自然の光と風を生かすこともI邸のテーマ。家全体に明るさをもたらすトップライトはすべて開閉可能です。また、来客用玄関の近くに和室を、家族用玄関側にプライベートスペースを配置し、使いやすい動線を設計しました。