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素材と造りへのこだわりが生む、住むほどに健康になる家
薩摩藩士の住宅兼陣地として栄え、今も当時の面影を残す地域に建つK邸。一帯が国の重要伝統的建造物群保存地区に選定され、一般住宅にも規定や制限が設けられています。そんな場所をあえて選んだのは「ほかにはない風景や環境に魅かれたから」とご主人。古い街並みや通りに倣い、石垣や生け垣をしつらえたK邸の外観は、落ち着きを感じさせる和の佇まい。室内も和モダンの仕上げで、居るだけで心までくつろぐような空間です。
大きなテーマは「子どもと共に健康的に暮らせる家」。二人は以前から食材や環境など、できるだけ自然のものを取り入れるライフスタイルを実行しており、健康的な暮らしには住宅も大事な要素という考えがありました。Sin工房を知ったきっかけは、奥さまの出張。「会合に同席していた三重県の建設会社の社長と話す機会があり、その住まいづくりに共感したんです。嘘のない造りと、住むほどに健康になる家。それを鹿児島でも造っていると教えてもらったのがSin工房でした」。
合板や防腐剤、木工ボンドなどを使わず、壁には年月を経て硬化するスペイン漆喰を採用。生体エネルギーを応用した液体を基礎や壁材に用いることで、害虫を防ぎ、静電気を起こさなくなるそうです。室内のホコリや汚れは静電気が大きな原因。「確かにホコリは少ないし、空気も清々しい。土地柄、虫も多いのですが、例え害虫が入ってもすぐ弱るんです。不思議ですよ(笑)」。
K様邸は、武家屋敷群に家を建てるということでさまざまなプランニングの確認が必要でした。外観は純和風、煙突を出してはいけないとのことで、ご希望だった薪ストーブが設置できなかったことも。
ご主人の趣味スペースや奥さまのデスクスペースなど、それぞれが家で楽しめる空間づくりができました。収納もしっかりと計画し、すっきりとした印象のリビングはステンレスの造作キッチン、背面収納には格子戸などにもこだわりました。
9月には新しい家族も増え、新しい暮らしがより豊かになりますよう願っております。