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森林の空気を大きく吸い込み、スローライフを楽しむ住まい
鹿児島市内にありながら深い緑に囲まれ、落ち着いた山荘のような趣を感じさせるW邸。散歩コースの途中にあった土地を見初めたというその場所は、喧騒を忘れさせてくれる風景と広い庭が日々の生活を彩ります。
そんなW邸は、ロフトのある平屋建て。「いくつになっても快適に暮らせるように」と、各スペースにゆったりとした広さを確保した回遊性のある間取りを心掛けました。家の真ん中に収納があり、玄関、リビング、キッチン、ゲストルームがぐるりと囲んでいます。そうすることで、平屋建てならではの「家の中心に光が届きにくい」というデメリットも解消。キッチン裏は、バスルーム、脱衣室、納戸、寝室が並んでいるので、料理をしながらの家事動線もスムーズに。洗濯ではキャスター付きの物干しスタンドを使い、その場で干して天気に応じてウッドデッキまたはドライルームに移動するという、動線の良さを生かした楽家事スタイルを実践しています。
もともと畑だった土地なので、これから野菜づくりにも挑戦したいと奥様。家と外をつなぐ出入り口は玄関の他に2カ所あり、そのうちの一つには軒をつけて農作業用の作業場にする予定だとか。自宅で仕事をすることも多いご夫婦ですが、この家でのバランスのとれたスローライフが、そろそろ始まりそうです。
ご夫婦でディテールに至るまで検討されるなど、家づくりのご要望がとてもわかりやすかったので、その理想の家を最大限実現できるよう努力して生活動線の良い平屋の住まいになりました。寒さの厳しい土地ですが、ウレタンの高断熱性能と換気計画のおかげで冬でもエアコン一台で快適に過ごせます。構造材には鹿児島県産の杉を使用。押入れ内にも使われており、調湿作用も期待できます。