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平屋の工夫は、段下がり活用の収納庫と子供部屋
中に入ると、南窓から東シナ海のさわやかな風が吹き抜ける。木の足触り、香り、さらりとした空気感が、外の暑さを忘れさせるS邸。デザイン性の高い陶器瓦に白と木目調のサイディングのコントラストがセンスよく存在感をアピールする。坊津へ向かう街道沿いから少し入り込んだ閑静な住宅地。鰹節工場の特有の匂いが港町を実感させる。
「いらっしゃい」と、新居に迎え入れてくれた奥様は、開放感あふれる間取りと機能性、きめこまかな注文にも応えてくれた思い通りの家に「希望がかないました。頼りになるのは、やっぱり地場工務店さん。知り合いが建てた家をみてひと目で共感するものがあって」と、満足そうです。中廊下を進むと、右手には階段の段差をうまく利用して下は広い収納庫、上は子ども部屋。収納庫は、建築上の面積には入らないスペースで天井高を計算し尽くした匠の技が生きています。対面型のキッチンを備えたLDKは、さまざまな工夫を取り入れた食品庫、たっぷりの収納棚に加えて、特製のステンレスを張った手づくりの棚もあり、「料理づくりがはかどりそう」と、奥様。キッチンにはレンジフードの仕切り板もなく広々、正面には和の佇まいを見せる和室。やんちゃ盛りの子どもたちが戻って、まず駆け寄るのが遊び心くすぐる段下がりの収納庫。「わーっ、きゃっー」と歓声が響くマイホームは、にぎやかな暮らしを予感させます。
あちこちの細やかなところに手づくり感のよさが生きる快適空間に仕上げました。とくにサンルームは、洗う・干す・たたむが一カ所でできるので家事動線は抜群。これなら外の鰹節工場の臭いも気になりません。キッチンも収納たっぷり。隠れた部分に柄の違うクロスをあしらうなど、日常生活のリズムが単調にならない工夫も。和室の床柱には珍しいタモの木を使い、地味ながらしっとりとした木目の質感を生かした。太陽光、エコキュート、LED照明、樹脂サッシと、最新アイテムも多彩です。