My Life Style
Sumikaの巻頭特集
木漏れ日と暮らす
新緑が黛る季節。窓を開ければ青々とした木々が風に揺れ、朝夕の木漏れ日は部屋の中にまで射し込んで来ます。
住宅街の中にありながら、まるで雑木林や木立ちの中にぽつんと佇んでいるような、そんな棲み家を訪ねました。
連続して重なるスクエア型の層が、視線と動線を誘導するアプローチ
【設計施工・MBCハウス 外構の設計施工・南九施設株式会社】
【設計施工・ミサワホーム 外構の設計施工・南九施設株式会社】
有村光子さんは、南九施設株式会社の代表取締役。「カーテンを開け、庭を眺めながら過ごせる暮らしを提案したい」と、鹿児島市山田に事務所を移転。同時に、ショーガーデン「THE EDGE OF ART」を立ち上げました。コンセプトは、家と庭と風景が一体となった家づくり。住まいのプランニング時から打ち合わせを行うことで、より細かな(あるいは大胆な)提案やサポートが可能になりました。
ショーガーデンに先駆けて竣工した住まいは、桜島を望む吉野町の高台にあります。ご主人と二人暮らしですが、同じ敷地内には息子さん家族が暮らしており、小さなお孫さんもトコトコと歩いて遊びにやってきます。
「借景を活かせる家はそう多くありませんが、街中の家でも自然の風景を庭につくり込むことで、窓辺に美しい景観を映し出せる」と話す光子さん。庭の土のレベルをあげて室内との繋がりを出したり、起伏をつくって奥行きを出したり、木々の高さに変化をつけて外部からの視線をカットしたり…。
土地をよく読んだうえで、風景ありき、庭ありき、眺めのいい窓ありきで進めていった家づくり。竣工は2016年、築4年を経て庭の木々もしっかりと育ちました。四季を彩る緑に囲まれた建物そのものも、今やすっかり街の風景として馴染んでいます。
庭を眺め、季節を感じ、昼も夜もカーテンを閉めずに過ごす光子さん。日が落ちるとライトアップされた庭を眺めながら、キッチンに立っています。
※こちらの記事は2020年に発行された「住まいの雑誌Sumika 22号」に掲載された特集を再編集したものです。内容は取材当時のものとなります。
庭の中の家
Part.1 Sumika Vol.22