My Life Style

Sumikaの巻頭特集

<Sumikavol.31>
100年先の、風景をつくる。
-obama village-

100年先の、風景をつくる。
obama village

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霧島市隼人町小浜。
桜島を望む海岸線に沿って車を走らせれば、湾奥の静かな浜辺の向こうにリズミカルに軒と屋根を並べる、ひとかたまりの建物の一群が現われる。
ここは、 100 年先、 200 年先の風景と情景をつくる「小浜ヴィレッジ」。
小さなムラの取り組みと挑戦は、やがて大きな未来の物語を紡ぎだす。

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撮影:小川重雄

明日と未来をつくる小浜ヴィレッジの想い

霧島市隼人町小浜。錦江湾の湾奥に位置する、人口650人ほどの小さな集落。遠浅の海の向こうには桜島を望み、海を渡る風が涼やかに吹き抜けていく。

国道10号線沿いに軒を並べる「小浜ヴィレッジ」は、海と田んぼと山に抱かれた小さなムラ。敷地の中央には、村人が集まる公民館のような「イドバタルーム/会議室」が建ち、ショップエリア、イベントスペース、コワーキングスペース、オフィスエリア、BBQパークなどの多彩な空間がゆるやかに繋がっている。

現在、 4つの店舗が入居するテナント棟

ムラの運営を手がけるのは、霧島市で代々にわたって林業を営んできた「おばま工務店(旧:住まいず)」。

会長の有村健弘さんと社長の康弘さんによる双子の会社運営で、これまで多くの住宅、店舗、施設をつくり、暮らしの場を世に送り出してきた。お二人日く「双子が力を合わせた2馬力による推進力と、異なる意見の融合によるバランスによってより良い会社運営ができる」とのこと。そんな2人の願いは、家づくり・暮らしづくりを通して、そこで生活する人、働く人を豊かにすること。

日々の生活にプラスアルファのいろどりを加えるために東京や大阪の建築家、ガーデンデザイナー、マーケターと積極的に繋がりを持ち、バーベキューや飲食イベントなどを企画・運営しながら地域にとっての豊かな暮らしを提案し続けてきた。

その思いをひとつの形にしたものが「小浜ヴィレッジ」だ。

村民が自由に使えるシェアキッチンと打ち合わせスペース。
食のイベントやアート、音楽イベントなど中庭と一体となった使い方ができる。

過去から未来へ続く人の営みと自然美

「小浜ヴィレッジ」のマスタープラン&空間の設計は、東京を拠点に全国の施設や空間づくりを展開するフジワラテッペイアーキテクツラボが監修。

「小浜ヴィレッジ」のプロジェクトには甚本構想から関わり、新たなライフスタイルを表現する場をプランニング。計画の柱は、「地域の歴史・伝統を学び新しい文化をつくる」「まちの風景となる顔をつくる」「多様な活動を受け止める暮らしの背景をつくる」「人が暮らすことで生物が増える、未来の循環の在り方をつくる」の4つ。

山の向こうに陽が沈み、 薄暮の空に溶け込む小浜ヴィレッジ

施主、設計者、働く人、営む人、訪れる人、地域の人など様々なプレイヤーが参画することで地域の拠点を創出。バイオジオフィルターの仕組みも取り入れ、水生植物や水辺の生物との共存も可能。小さな生き物の命の繋がりが、やがて大きな森や海の豊かさへと連なっていくだろう。

暮らしと風景をつくるおばま工務店の仕事

「そこに家を建てたくなるような町をつくる」との思いから始まった小浜ヴィレッジのプロジェクト。

モデルハウスはなくとも、ムラの時間や空間に浸ることでそれぞれが理想とする住まい(暮らし)像が浮かんでくる。健弘さんはムラの存在を「受け皿でありたいと思いながらも、人を呼ぶことを目的にするとまずい」と話す(小浜村記より)。地域の暮らしを見つめるローカルディベロッパーとして、その視線はいつも未来を向いている。

おばま工務店のオフィス&打ち合わせスペース
テナント棟のパン屋さん


代々、林業と暮らしづくりを家業として今に続くこと11代目(弟の健弘さんは11.5代目)。小浜ヴィレッジが紡ぐ物語には、決まったあらすじも目次もない。

2024年11月29日のグランドオープンは、プロジェクトのゴールではなくスタートライン。山や海や人や水辺の生物と同様に、ムラもまた呼吸をし、変化し、成長していく。100年先の風景をつくる「小浜ヴィレッジ」。これからの生き方のヒントが、ここにある。

波穏やかな湾奥に建つ小浜ヴィレッジ。
海と畑と山と空が織りなす風景の中にしっくりとなじんでいる
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株式会社ObamaVillage

100年先の、風景をつくる。
-obama village- Sumika vol.31

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