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地元工務店の「真の姿」

健康・省エネ・快適がキーワード
全棟VOC検査で良質な空気感が伝わる家

vol.035

(株)Sin工房 代表取締役
田口 慎一 氏

 県立松陽高校の一期生。高校卒業後、公務員として8年ほど勤務したあと、父の経営する地場工務店に入り、工務、営業の仕事に携わり、家づくりを学んだ。「本物の家づくりとは何かが違う」と疑問を抱きはじめ、健康住宅をキーワードにした住宅会社を独立開業、現在に至る。家族は、夫人と息子3人の5人暮らし。趣味は、アウトドアのキャンプ、ゴルフ、映画鑑賞、旅行、ドライブ。好きな言葉は一期一会。鹿児島市出身の48歳。

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 家づくりのキーワードについて尋ねると「健康にいい家、いつもそこに暮らす人の幸せ」と、田口社長。健康、幸せの二文字が何回も口をついて出てくる。常に意識し、実践しているのは、化学物質ゼロの健康住宅。そこには安心して快適に暮らせる住まい、良質な空気感に包まれた快適な生活を提案・追求する家づくりのプロの姿があった。
 安心・安全・快適な住まいづくりは、家づくりの原則だが、敢えて、最大の目標を健康第一に掲げ、全棟VOC(揮発性有害化学物質)の室内空気濃度検査を実施している工務店は、国内でもそんなに多くはない。「心から癒やされて温もりのある住まい」が同社のモットーだ。

 同社の前身は、父親の健二郎さん(平成18年に70歳で他界)が立ち上げた地場工務店の田丸住建。25年間、不動産会社の元請けとして活躍した。一度は家業の継承も考え、営業・工務で10年ほど勤めたが、規格住宅に納得が行かず、平成15年に独立開業した。自分の名前の慎一から「新」「進」のイメージも考慮、「Sin工房」と名付けた。
 立ち上げ期の3~4年は、年間4、5棟だったがここ数年は10棟をキープしている。リフォームも1000万円クラスのリノベーションも含め2、3件と順調。最初は、ローコスト住宅を掲げて始めたもののうまく行かず、お客様に満足いただくためには、「コストがかかっても満足度の高い住宅づくり」へと転換した。

 5年前から完成した家の室内空気濃度検査を実施、環境研究センターに室内で採取した空気サンプルを送り、データの見える化を実践している。ホルムアルデヒド、トルエンなど13項目の有害物質の測定を行い、国が定めた基準値(指針値)を調べる検査で、お客様からは「数値の見える化で安心感が増した」と評価を得ている。実際に同社の顧客からは「アトピー性皮膚炎、アレルギー、喘息が治った」との声が数多く聞かれる。
 健康住宅を最大の目標に掲げて取り組んだ結果、口コミによる評判も上がり、見学会の来場者はもちろん、受注も着実に増えている。内断熱・外断熱、調湿性にすぐれた遮熱性の塗り壁、天然無垢材、スペイン漆喰、セルローズファイバーなど各種工法も好評で、付加価値によって一戸あたりの価格アップも実現、本物の健康住宅「ゼロ宣言の家」が見直されるきっかけになった。

 同社のコンセプトは、「安心の家づくり」。健康、快適、自然素材にこだわった住宅。今年4月には、ゼロエネルギー住宅・ZEHに登録、高付加価値の住宅として市場にも着実に浸透しつつある。
 このほか、大きな梁、柱、高い天井、開放感のある吹抜け、構造材が見える家は、お客様にも安心感のある家として定着しつつあり、「実はこんな家に住みたかった」「こんな家が理想だった」と、顧客満足度も高い。
 メンテナンスも強化、半年、1年、5年と定期的に行い、信頼関係の揺るがないシステムを構築。家づくりのスタッフも順調に育っており、インテリアコーディネーター、省エネ健康診断士など資格取得者も多彩。

 同社の経営理念は、お客様に喜んでもらえたら自分たちも潤うという「利他の心」。「常にお客様の気持ち、立場に立っての家づくり。何を一番求められているのか、その追求心を忘れずお客様とともに会社の歴史のページを刻みたい」と、田口社長は、スタッフとともに前を向く。

更新日:2016/10/02

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