住まいの創造人
家族の笑顔をつくる快適な家
コンセプトは上質な暮らしの創造
(有)新越建設
新越 恭子 氏
志布志高校から鹿児島女子短期大学に進学し、生活科学科で食物栄養学を学ぶ。卒業後は病院の栄養士として4年間勤務。新越建設の新越修一氏と結婚後は、子育てしながら2級建築士の資格を取得するなど、修一社長の右腕として活躍する。管理栄養士、宅地建物取引士、1級土木施工管理技士の資格保有。夫と娘4人の6人家族。趣味は自転車のロードバイク、登山、キャンプ。好きな言葉は、努力して試練を乗り越えれば快い青空が望めるという意味の「雲外蒼天」。曽於市末吉町出身。
同社は、大工の棟梁をしていた義父の勝利さん(現会長)が1977年に創業。その後、夫の修一さんが2014年に2代目社長に就任した。木造軸組の伝統工法に最新のシステムを加え、大隅地域の気候、風土、街並みに調和した木造住宅を提供。「家族の笑顔をつくる上質な暮らしを演出してくれる住まい」として人気を呼んでいる。現在の年間新築棟数は平均5棟。地道に、そして丁寧に、という家づくりにこだわる職人の技と英知が随所に生きる。
普通科高校に進学した恭子さんだったが、「いつかチャンスがあったら建築の仕事がしたい」と暇を見ては住宅雑誌を購入して読むなど、建築に興味を持っていた。人間が生活していく上で衣・食・住は基本。まず食について学んでから―と、短大では食物栄養を専攻。卒業後は病院の栄養士として活躍した。しばらしくて修一さんと知り合い結婚。〝チャンス到来〟とばかりに奮起し、子育てをしながら2級建築士を目指して鹿屋市の専門学校に通った。設問の内容や趣旨を理解して正確な図面に仕上げるのが難しかったという。フリーハンドでイメージを膨らませる練習を続け、幾度かの挑戦の末に、ようやく建築士の資格を取得。「娘4人を育てながら一番大変な時期だった。主人を含め、家族の協力があったからこそ合格できた」と当時を振り返る。
会社の経営理念は、「上質な暮らしの創造を追求し、家族の笑顔をつくる家づくり」。顧客満足度№1の家守りをコンセプトに掲げ、常に女性、主婦目線で家づくりを考え、1棟1棟を大切に、お客様と感動を共有しながら、癒やされ、安全で居心地のよい家づくりに取り組む。高気密、高断熱のスーパーウォル工法、空気集熱システムのそよ風などの最新工法を取り入れながら、目には見えない性能の部分にもとことんこだわる。
無垢材、シラス壁など自然素材を活用した呼吸する家づくりに主眼を置き、歳月を重ねるごとに美しく経年変化する心地いい住まいを意欲的に提案。固定概念を取り払い、お客様と一緒に考え、納得できる家づくりを実践している。
通常、図面が確定して、着工してからの変更はなかなか難しいが、「こっちの方がいいよね」という現場対応可能な変更などは、施主と話し合い、改善しながら作業を進める。「これからの住宅需要を考えると、顧客満足度の高い上質の住宅を提供することが極めて重要。長く住み継がれる家づくりは地場工務店に与えられた使命。だから暮らし優先で日々元気な声と笑顔があふれる住まいを造っていきたい」と、ママさん建築士はほほ笑む。
住宅引き渡し後のアフター、メンテナンスにもきめ細かく対応。普段からの声掛け・訪問のほかに自主的に臨時点検を行うなど、面倒見もいい。西郷どんのような雰囲気がある夫・修一さん、笑顔が素敵な恭子さん。娘さん4人と聞いて「若草物語みたいですね」と声を掛けたら、「毎日にぎやかで幸せですよ」という返事が返ってきた。ご夫婦と職人集団が手掛ける一家だんらんの笑顔が弾ける住まいは、新越一家の幸せな暮らしが原点になっている。