住まいの創造人住まいの創造人

地元工務店の「真の姿」

後悔しない納得のできる家づくり
回遊性高く無駄のない生活空間

Vol.070

㈲永秀興業/NAGATA HOUSE 取締役専務
永田 純一 氏

鹿児島実業高校土木科を卒業後、鹿児島市内の建設会社に就職。2年間現場監督の見習いをしたあと、父親が経営する永秀興業に入社。2010年、専務に就任した。1級土木施工管理技士、2級建築施工管理技士、2級管工事、給排水設備施工責任者などの資格保有。

趣味は、四季の花々を楽しむこと、海外ドラマ鑑賞。好きな言葉は「ありがとう、感謝」。妻と娘2人の4人家族。熊本県大津町出身の36歳。

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 同社は、重機オペレーターをしていた父親の秀幸さんが霧島市に移住、新天地で1995年に設立。社名は「幅広い事業にチャレンジしたい」との思いを込めて永秀興業に決めた。しかし、土木工事が減少する中、認知度が低いこともあり、安定経営することが難しい日々が続く。元請けからのお金が入らず不渡りを出すなど、資金繰りにも苦労。最近になってやっと経営が安定し、軌道に乗り始めた。
 今でも一番苦労しているのは、親子関係。仕事のことになると、ついつい熱くなり、口げんかになるのが日常茶飯事。考え方の違いから口論に発展することが多く、言いたいことを言って後悔する日々が続いた。ある日、自分の思い、考えをじっくり父に打ち明けた。「自分がやりたいこと、前向きに考えてほしいこと、協力してほしいこと-を自分なりに整理して訴えた。熱心に建設的に誠実にトコトン話し合うことで道が開けた。
 経営が厳しいときに打開できたのは、仲間のアドバイスだった。苦しいときに、ここまで頑張れたのはこれまでの周囲の仲間や友達の激励と支援があったからこそ。局面で悩みを相談、紹介された災害復旧工事の下請けなどで、なんとか事業を持続できた。来年には節目の25周年を迎える。
 転機が訪れたのは18年8月。自社の所有地に30坪のマイホームを建設したのを機に住宅事業部「NAGATA HOUSE」を開設。元請けによる自社ブランドの構築を目標にしている。初めての完成見学会では、仕事仲間が訪れ、「カッコいい家だね」「うーん、なかなかよくできているね」と声を掛けてくれた。余裕はなかったが、自力で一人の職人として自前の家を建てたことで「なんとか自分でもやれる」という自信がついた。経営方針を模索する中、県中小企業同友会や地元の青年会議所に加入。現在、策定へ向けて知恵を絞っている最中だ。

 お客様向けには、日本の住宅業界の現状、これからの家づくり、課題などをまとめた小冊子「注文住宅・間取りプラン・家づくりサポート」を配布して回っており、提案活動を軌道に乗せつつある。目指すところは、健康で安心できる家、住み心地のいい家、丈夫で長持ちする家、環境に優しく経済的な家。
 戸建てに求められるのは、限られた面積をどう活用するか。部屋を仕切ることは後からでもできるし、廊下も現代風の住まい方や住宅性能からすると少ない方がよい。初めからむやみに空間として仕切らず、できるだけオープンにすると、ゆとりをつくりやすい。「洗面スペースやトイレなど、生活に密着した空間は大切にしたい。だから後回しにするのではなく、最優先して設定する。そうすることで、ゆとりのスペースが生まれるのではないか」と、純一さんの家づくりに対する持論は明確だ。
 立地がよく、住みやすさ、生活のしやすさ、家事が楽しい、日々の暮らしが楽しい家。だから私は、家族がつながり、オープンな空間を大切にしたい。家事がしやすく、子どもが元気で走り回れる回遊プラン、全室引き戸でつながり、小さい坪数ながら広く大きく使える生活空間の家を目指したい。後悔しない納得のできる家づくりを永遠のテーマに掲げる。
 「課題は多いが当面の目標として年間新築10棟を目指したい」。若手工務店経営者の日焼けした顔に自信がみなぎる。中・高校時代と、野球で鍛えた体は今でも健在だ。

更新日:2019/09/01

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