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地元工務店の「真の姿」

木で造る、祖父、父、三代で培ってきた匠の技
「一途にお客様のために」の思いをつないで

Vol.075

㈲桑原建築/木匠設計一級建築士事務所 取締役
桑原 賢伍 氏

出水工業高校建築科、東京工科専門学校建築学科を経て東京の建築会社に勤務後Uターン。5年前に取締役に就任。6月から2代目社長に就任の予定。1級建築士、1級建築施工管理技士、2級土木施工管理技士、耐震診断士などの資格保有。奈生子夫人と一男一女の4人家族。趣味はスポーツ(軟式野球、ソフトボール)、好きな言葉は一期一会。出水市出身の36歳。

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 同社は1976年に創業。1995年から会社組織にして、今年で44年の歴史を刻む。大工をしていた祖父の良登さんが手刻みで始めた木造建築。その歴史は、いつしか父・冨雄さんへと受け継がれ、賢伍さんの手へ。
 ビル改修の現場監督などをしていた賢伍さんは、2008年に故郷・出水に帰ってきた。お客様のために、地域のためにという熱い思いを心に抱きながら家業の桑原建築に就職した。
 実質的には親子三代の地場工務店。「仕事は見て覚えろ」が冨雄さんの口癖だ。口酸っぱく言われたのは、後片付けの整理整頓。基本の「き」の字が基本になる、と師匠は、今でも言い切る。
 じいちゃんっ子で、物心着いた3歳の頃から「大きくなったら大工さん」と、決めていた。手先が器用でテーブルなどを作って遊んでいた覚えがある。高校時代から建築現場のアルバイトをしていた。この頃から家づくりに寄せる思いは年々強くなっていった。
 〝家は3棟造って納得いく、それを一度で実現させる〟ことをモットーとし、経営理念に掲げる。そこには、家づくりに関わる伝統の匠の技を結集し、「常にお客様を満足させたい」という思いがある。新築が決まったら建築現場に「あなたの家づくりのお手伝いをさせてください」という専用の垂れ幕を掲げて工事にかかる。
 年間新築棟数は平均3、4棟。累計では約160棟。リノベーションは年間1、2棟。リフォームは10~15棟。「自分が把握できる範囲を考えると、今ぐらいのペースがいいと思います」と話す。

 帰郷時に漠然としていたものが、明確な気構えに変化したのは結婚して取締役に就任、子どもができてから。見積書の制作、現場の管理を任されるようになってからのこと。「一棟一棟に全身全霊・魂を込める」。意気込み、姿勢が変わり始めた。
 現場に出ると、「親方」と呼ばれるようになり、現場を回し、人を育てる難しさを知ると同時に責任の大きさを自覚するようになった。
 コンセプトもまだ明確なものはないが「お客様の注文通り、満足のいく家」を身上にしている。徹底した顧客満足度追求だ。
 いい家づくりのポイントは、適正な予算、無駄のないスムーズな家事動線、住み心地の良さなどが総合的に整ったバランスのよい家。
 「炊事、洗濯、掃除などの家事を一手に引き受け、暮らしとかかわる時間が最も長い主婦のニーズにどう応えられるか。だからこそ主婦目線で家事動線を考えることが重要。きめ細かにサポートし、お手伝いできれば」。設計の段階で、奈生子夫人と議論することも忘れない。「この地で家づくりに携わって40余年。温もりのある木造建築のよさを伝え、そして常に住まい手の心に寄り添って、wood(木)×architect(匠)×design(設計)から創造が膨らむ〝WaDo House〟を掲げる。個性を生かしてブランド化していければ」。設計から施工、アフターメンテナンスまで、任せて安心、そして満足してもらえる家づくりを目指す若いエキスパートは、カタログ、名刺に描かれた緑鮮やかな大樹のように意欲に燃える。

更新日:2020/04/01

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