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深い軒のデザインで暮らしやすさを実現
Jさんのお宅は、もともとコの字型に建っていた実家の一部を取り壊し、建て替えたもの。当初はリフォームの予定でしたが、耐震性や補強性の問題から、新築として一部を建て替えることになったそうです。家を解体した際に出た古材を構造材として再利用するなど、そこに息づいていた暮らしの思い出が、新居にもそっと引き継がれています。光と風が注ぎ込む、明るく広々した居住空間。床材に用いられたヒノキの香りが心地よく、無垢材の優しい温もりが素足にじかに伝わります。
ご夫婦と長男(6歳)、長女(5歳)の4人家族。子育て中のご夫婦が最優先したのは、暮らしやすさでした。効率的に電力を使用することができるよう、HEMSを活用。エコキュートや太陽光発電システムの電力利用を見える化し、外部からのコントロールも可能です。回遊性のある間取りと動線の整備で、家事もラクラク。特筆すべきは、何といっても物干し場の多さです。和室に設えた室内干しスペースに、広々とした外干し用のテラス。テラスの長い手すりは、布団を干すのに重宝します。天気が良い日には庭に洗濯物を干して、太陽の光をたっぷりと浴びせることも。そして、パントリーやウォークインクローゼット、随所に用意された造作棚など、抜群の収納力も見逃せません。家づくりの参考になるアイデアが家中に満載です。
これまで「SU・MI・KA」に掲載した福山組の作品をご覧いただき、和テイストの家にしたいとのご要望を受け、ひさしの深いデザインを提案しました。室内は採光と風の通りを意識して設計、庭の石は、解体前の家のものを再利用。ご実家と新居の間を渡り縁でつないで、自由に行き来できるようにしました。親世帯、子世帯の暮らしが掛け合わさり、相乗効果でより豊かに暮らせるのではないでしょうか。